I-1. 出願の種類
1. 出願の種類
- 通常出願<特許法111条(a)>
- 仮出願<特許法111条(b)>
- 継続性出願<特許法120条、121条>
- 国際出願<特許法371条>
2.通常出願<特許法111条(a)>
(1) 出願に必要な書類 <特許法111条(a)(2), (a)(3)>
- 明細書 <特許法112条>
- 図面 <特許法113条>
- 宣誓書又は宣言書 <特許法115条>
- 手数料 <特許法規則1.16条など>
(2) 明細書
- 明細書は1以上のクレームを含む必要がある <特許法112条(b)>
- 明細書がクレームを含んでいない場合も、明細書を提出した日が出願日として認められる <特許法規則1.53(b)>
- クレームを含まない明細書を提出した場合は、クレームの提出及び追加料金の支払いを求める通知が発行される <特許法規則1.53(f)>。
(3) 図面
- 特許を受けようとする主題事項の理解に必要な場合は、図面の提出が必要 <特許法113条、 特許法規則1.81>
- 図面による説明が可能な発明であるにもかかわらず図面を提出していない場合は、2月以上の期限を指定して図面の提出を求める通知が発行され得る <特許法113条、特許法規則1.81>
- 出願日より後に提出した図面に基づいて、実施可能要件等の不備を治癒したり、クレーム範囲の解釈にかかわる補足を行うことはできない <特許法113条、特許法規則1.81>
- 出願日を確保するために図面の提出は必要とされていないが、上記の通り出願時の不足を後日提出した図面により治癒することはできないため、特許を受けようとする主題事項の理解に必要な図面を欠いた出願の権利化は不首尾に終わり得る <MPEP608.02 I. A.>
(4) 宣誓書又は宣言書
- 宣言書又は宣誓書では、宣誓又は宣言を行う発明者又は共同発明者を正式な氏名で特定し、対象となる発明を特定する <特許法規則1.63(a)(1), (2)>
- 宣誓書又は宣言書は、(i) 出願は宣誓者又は宣言者によってなされたものであること、又は宣誓者又は宣言者の許可を得てなされたものであること、及び(ii) その個人は出願のクレームに記載された発明のオリジナルの発明者又はオリジナルの共同発明者であると信じること、のステートメントを含む必要がある <特許法115条(b)、特許法規則1.63(a)(3), (4)>
- 発明者の死亡など、やむを得ない事情がある場合は代替供述が認められる <特許法115条(d)、特許法規則1.64>
- 宣言書又は宣誓書は出願後に提出することもできるが、所定の期間内に提出しなかった場合は出願は放棄されたものとみなされる <特許法第111条(3), (4)>
- 出願時に宣誓書又は宣言書を提出しなくても、明細書を提出した日が出願日として認められる <特許法規則1.53(b)>
(5) 手数料
- 手数料は、出願料、サーチ料、及び審査料を含む <特許法規則1.16>
- 4項目以降の独立クレームには1項あたり所定額の追加料金の支払いを求められる<特許法規則1.16(h)>
- 20項目以降のクレームには1項あたり所定額の追加料金の支払いが求められる <特許法規則1.16(i)>
- 多項従属クレームを含む出願には所定額の追加料金の支払いが求められる <特許法規則1.16(j)>
- 100枚を超える出願には50枚あたり所定額の追加料金の支払いが求められる <特許法規則1.16(s)>
- 手数料は出願後に納付することもできるが、所定の期間内に納付しなかった場合は出願は放棄されたものとみなされる <特許法第111条(a)(3), (a)(4)>
- 手数料を納付せず出願した場合は、手数料及び追加料金の支払いを求める通知が発行される <特許法規則1.53(f)>
- 出願時に手数料を納付しなくても、明細書を提出した日が出願日として認められる <特許法規則1.53(b)>
(6) 出願日の付与
- 明細書を提出すれば、明細書がクレームを含んでいない場合、宣誓書又は宣言書が提出されていない場合、若しくは手数料が納付されていない場合でも、明細書を提出した日が出願日として認められる <特許法規則1.53(b)>
(7) 出願言語
- 通常出願は、英語以外の言語でも行うことができる <特許法規則1.52(d)>
- 英語以外の言語で通常出願を行った場合は、その英語翻訳、及び翻訳が正確である旨のステートメントの提出と、処理費用の支払いとが必要となる。これらを行わない場合は、提出等の期限が通知される <特許法規則1.52(d)(1)>
3.仮出願<特許法111条(b)>
(1) 出願に必要な書類 <特許法111条(b)(1)-(b)(3)>
- 明細書 <特許法112条(a)>
- 図面 <特許法113条>
- 仮出願であることを示すカバーシート <特許法規則1.53(c)(1)>
- 手数料 <特許法規則1.16条など>
(2) 明細書
- クレームは必要ではない <特許法112条(b)(2)>
(3) 図面
- 特許を受けようとする主題事項の理解に必要な場合は、図面の提出が必要 <特許法113条、 特許法規則1.81>
(4) 仮出願であることを示すカバーシート
- 提出しない場合は通常出願として扱われる <特許法規則1.53(c)(1)>
(5) 手数料
- 手数料は、出願料を含む <特許法規則1.16(d)>
- 100枚を超える出願には50枚あたり所定額の追加料金の支払いが求められる <特許法規則1.16(s)>
- 手数料は出願後に納付することもできるが、所定の期間内に納付しなかった場合は出願は放棄されたものとみなされる <特許法第111条(b)(3)>
(6) 出願日の付与
- 明細書及び必要な図面が特許商標庁に受領された日が出願日となる <特許法111条(b)(4)>
(7) 出願言語
- 仮出願は、英語以外の言語でも行うことができる <特許法規則1.52(d)>
- 英語以外の言語で仮出願を行った場合、仮出願の段階では翻訳文の提出は要求されない <特許法規則1.52(d)(2)>
(8) 出願後の扱い
- 仮出願は審査の対象とならず、出願日から12月経過時に放棄したものとみなされる<特許法111条(b)(5)>
- 仮出願の出願から12月以内に、仮出願の優先権を主張して通常出願を行うことができる<特許法119条(e)>。この場合、特許存続期間の起算日は通常出願の出願日となる<特許法154条(a)(3)>
- 仮出願を通常出願に変更することができる。ただし、この場合、特許存続期間の起算日は仮出願の出願日となる<特許法規則1.53(c)(3)>
4.継続性出願<特許法120条、121条>
(1) 継続出願(continuation application) <特許法120条>
- 先の出願に開示された発明について行う出願であり、新規事項を含むことはできない <特許法120条、MPEP201.07>
- 特許存続期間の起算日は先の出願の出願日となる<特許法154条(a)(2)>
(2) 一部継続出願(continuation-in-part application)<特許法120条>
- 先の出願に開示された事項に新規事項を追加して行う出願である <特許法120条、MPEP201.08>
- 特許存続期間の起算日は先の出願の出願日となる<特許法154条(a)(2)>
(3) 分割出願(divisional application)
- 先の出願から独立した発明又は別個の発明を切り出して行う出願である <MPEP201.06>
- 先の出願における限定要求に応じて分割出願を提出した場合、先の出願と分割出願とが互いに対してダブルパテントの引例として挙げられることはない <特許法121条>
- 特許存続期間の起算日は先の出願の出願日となる <特許法154条(a)(2)>
(4) 要件
- 継続性出願の出願人に親出願の出願人が少なくとも一人含まれること <特許法120条、MPEP602.01(c)>
- 親出願に対する特許付与、親出願の放棄、又は親出願の手続き終了の前に出願されること <特許法120条>
- 親出願の具体的な参照を含むこと <特許法120条>
5.国際出願<特許法371条>
(1) 移行に必要な書類 <特許法371条>
- 手数料 <特許法371条(c)(1)>
-
国際出願の写しと、国際出願が英語以外の場合はその英語翻訳文<特許法371条(c)(2)>
-
19条補正と、19条補正が英語以外の場合はその英語翻訳文<特許法371条(c)(3)>
-
宣誓書又は宣言書 <特許法371条(d)>
-
国際予備審査報告書の付属書類が英語以外の場合はその英語翻訳文 <特許法371条(e)>
(2) 手数料
- 手数料は、移行料、サーチ料、及び審査料を含む <特許法規則1.492(a)-(c)>
- 4項目以降の独立クレームには1項あたり所定額の追加料金の支払いを求められる<特許法規則1.492(d)>
- 20項目以降のクレームには1項あたり所定額の追加料金の支払いが求められる <特許法規則1.491(e)>
- 多項従属クレームを含む出願には所定額の追加料金の支払いが求められる <特許法規則1.491(f)>
- 国際出願の英語翻訳文又は国際予備審査報告書の付属書類の英語翻訳文を優先日より30月以降に提出する場合は追加料金の支払いが求められる <特許法規則1.491(i)>
- 100枚を超える出願には50枚あたり所定額の追加料金の支払いが求められる <特許法規則1.492(j)>
(3) 移行期限
- 出願の放棄を避けるためには、優先日から30月までに国際出願の写しを提出し、手数料(少なくとも移行料)を支払う必要がある<特許法規則1.495(b)>
- 19条補正の写し(及びその英語翻訳文)は優先日から30月までに国際出願の写しを提出する必要がある。提出されない場合は19条補正はキャンセルされたものとみなされる<特許法規則1.495(d)>
- 移行料以外の手数料、国際出願の英語翻訳文、宣誓書又は宣言書、国際予備審査報告書の付属書類の英語翻訳文は、優先日から30月を越えた後に追完できる<特許法規則1.495(c)>
(4) 英訳についての宣誓供述書
- 国際出願に関する書類の翻訳文についての宣誓供述書(Verification)は、必要であると考えられる場合に提出が求められる<特許法規則1.495(f)>


