I-4. 限定要求/選択要求
1.一出願一発明
- 1つの出願に2つ以上の独立且つ別個の発明がクレームされている場合、長官は、出願を1つの発明に限定することを要求できる<特許法121条>
- 1つの国内出願において、2つ以上の独立且つ別個の発明を請求することはできない<特許法規則1.141(a)>
2. 限定要求
- 2つ以上の独立(independent)且つ別個(distinct)の発明が1つの出願においてクレームされている場合、審査官は庁通知において出願人に、審査の対象とする発明を選択するよう要求する。この庁通知は限定要求(Requirement for Restriction)と呼ばれる<特許法規則1.142(a)>
- 限定要求は、通常は実体審査の前になされる。ただし審査官は、ファイナルアクションより前の任意の時期に限定要求を通知し得る<特許法規則1.142(b)>
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審査官は、(A)複数の発明が独立又は別個であり、且つ(B)限定要求がなされなければ審査官に深刻な調査負担及び/又は審査負担がかかる場合には、限定要求を行うことができる<MPEP 803>
- 特許法121条は「1つの出願に2つ以上の独立且つ別個の発明がクレームされている場合」に限定要求をなし得ると規定している。しかしながら米国特許商標庁は、「1つの出願に2つ以上の独立又は別個の発明がクレームされている場合」に限定要求をなし得ると解している<MPEP802.1>
- 「独立」(即ち、関連しない)という用語は、2つ以上の発明の間に開示された関係が存在しないこと、即ちそれらが設計(例えば、構造又は製造方法)、動作(例えば、機能又は使用方法)、及び効果において関連性がないことを意味する<MPEP802.1 I>
- 独立した(即ち、関連しない)発明の例は、プロセスと、当該プロセスの実施において使用することのできない装置である<MPEP802.1 I>
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関連する発明(即ち、独立ではない発明)の例は、コンビネーションとその一部分(サブコンビネーション)、プロセスと当該プロセスの実施のための装置、プロセスと当該プロセスにより製造される製品である<MPEP802.1 II>
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関連する発明(即ち、独立ではない発明)は、設計、動作、又は効果の少なくとも1つにおいて互いに関連しない場合(例えば実質的に異なるプロセスにより製造できる場合又は実質的に異なるプロセスにおいて使用できる場合)であって、少なくとも1つの発明が他の発明に対して特許可能である(新規性及び非自明性を有する)場合は、「別個」の発明である<MPEP802.1 II>。
3. 選択要求
- 出願が属クレーム(generic claim, genus claim)と、これに包含される2以上の別個の種(species)に対するクレームを含む場合は、審査官は出願人に、ファーストアクションにおいて、属クレームが許可可能ではない場合に審査の対象とする種を選択するよう要求できる<特許法規則1.146>
- 更に審査官は、出願が合理的な数を超える別個の種に対するクレームを含む場合は、合理的な数を超えない種に対するクレームに限定するよう出願人に要求できる<特許法規則1.146>
- 種は発明の実施の形態に言及するものであり、クレーム自体が種となることはない<MPEP 806.04(e)>
- 種クレーム(species claim)の権利範囲は、単一の実施の形態(即ち、単一の種)に限定され得る<MPEP 806.04(e)>
- 種同士は、互いに対して独立(independent)であってよく、互いに関連していてもよい<MPEP 806.04(b)>
- 種同士は、互いに対して特許可能に別個(distinct)である<MPEP 806.04(h)>
- 属クレームは、2つ以上の実施の形態を包含し得る<MPEP 806.04(e)>
- 複数の種が互いに対して独立であるか又は別個である場合、限定を求めることは適切である<MPEP 806.04>
- 合理的な数を超えない複数の種に対する複数の種クレームは、複数の種を包含する許可可能な属クレームに従属しているか又は当該属クレームの全ての特徴を含む場合は、一出願に含めることができる<特許法規則1.141>
4. 限定要求/選択要求への応答
- 限定要求においては、出願に含まれる発明が列記され、いずれかを選択するように求められる。応答においては、審査の対象とする発明を選択し、当該発明に含まれるクレームを指定する。
- 選択要求においては、出願に含まれる種が列記され、いずれかを選択するように求められる。応答においては、属クレームが許可可能ではない場合に審査の対象とする種を選択し、当該種に含まれるクレームを指定する。
- 限定要求/選択要求に対しては、その再考、取り下げ、又は変更を、理由を示して求めることができる。ただし、審査の対象とする発明/種の仮選択も併せて行わなければならない。限定要求/選択要求が維持された場合は、仮選択された発明/種が審査の対象とされる<特許法規則1.143>
- 上記の通りMPEP803は、(A)複数の発明が独立又は別個であり、且つ(B)限定要求がなされなければ審査官に深刻な調査負担及び/又は審査負担がかかる場合には、限定要求は適切である旨を述べている。限定要求/選択要求の再考等を求める場合は、その理由として(B)の条件が満たされないと指摘することが望ましい。(A)の条件が満たされないと指摘すると、その後、複数の発明が互いに独立又は別個であるとの主張が難しくなり、不都合が生じ得る。
- 限定要求/選択要求に対して再考を求めたにもかかわらず維持された場合は、長官に当該要求のレビューを請願できる。請願は、ファイナルアクションの発行又は選択した発明に対する許可通知の発行後でも提出し得るが、審判請求までには提出しなければならない。限定要求/選択要求に対して再考を求めなかった場合は、その後請願を提出しても考慮されない<特許法規則1.144>
5. 応答後の注意点
(以下、順次公開予定)


